レッズ・遠藤航「調子に乗っていたころ」と、見つけた学び
世代別の日本代表主将を務め、その言動もまじめ。そんな遠藤航の原点とは
・曺監督と湘南ベルマーレという存在
「これは、海外に行くとか言っている場合じゃない」
アジアで戦い、そして負けてしまう。自分への物足りなさ、国を背負って戦う覚悟。なにもかもが足りない――持っていた自信は過信だったのだ、と思いました。
こうした挫折があり、それが原点となって、いま自分がサッカー選手としてなにをし、どう取り組む必要があるのか、ということを少しずつですが考えられるようになったと思います。だから、年齢より老けて見えるのかな……とも(笑)。
こうした自身の過去について振り返ると、他にも気づくことがいっぱいあります。
書いたような、厳しいことを言ってくれる曺監督のような存在との出会いもそう。曺監督との思い出はたくさんあって、湘南にいる頃、失点を重ねてしまったときに、「もっとこうすればよかった」「自分はこうできたんじゃないか」と自分のプレーに対して悩みすぎてしまったことがあったのですが、いきなり「責任を感じすぎるなよ」と声を掛けてくださったことがあります。あのときは、びっくりしました。なにも言っていなかったのに、見抜かれていたのか、と……。
レッズとの出会いも振り返ったときに素晴らしいものだった、と言えるよう結果を積み重ねていきたいと思っています。
さてそんな意味でも、先日の古巣、湘南との試合はとても印象的な一戦になりました。
ピッチに入る瞬間は、違和感を覚えたのですが、自分ができるプレーをしっかりやろうという気持ち、絶対に勝つぞという思いで試合に臨み、攻撃陣が好調な湘南相手にDFとしてしっかり無失点に抑えられたことには満足しています。
なにより、メンバー発表のときに拍手をしてくださり、試合後の挨拶でも温かく迎えていただいた湘南サポーターの方には感謝の言葉しかありません。本当に「優しいな……」と感じましたし、もっと成長した姿を見せないといけない、という思いをさらに強くしました。
来週にはACLの広州恒大戦もあります。エース、Jマルティネスは、世界レベルの選手。身体能力が高く、奪えそうだなと思っても先に足を出されるなど懐の深さと柔軟さを感じました。
ホームの試合になるので絶対に勝ち点3を取れるよう頑張りたいと思います。応援、宜しくお願いします。